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「第113号」

2014/11/10

女性のトラックドライバー「トラガール」、建築・土木現場で活躍する女性を指す「ドボジョ」や「けんせつ小町」。男性社会と言われてきた分野で働いたり、学んだりする女性がクローズアップされている▼翻って農業に従事する女性のことは「農ガール」「農業女子」と言うらしい。農林水産省が「農業女子プロジェクト」を立ち上げて、ちょうど1年が経つ。女性らしい感性を活かした商品開発が話題を呼んでいるそうだ。オシャレな農作業着も続々と開発されている▼注目されているのは、農ガールだけではない。ある調査によると、農業系大学や農学部を新たに開設する大学の注目度が上がってきているのだという。第6次産業としての農業は、バイオや環境、食の安全など、幅広く学べるのが大きな魅力だ。農学部生はその学問領域の広さを味方にして、就職でも力を発揮すると聞く。影に隠れていた感のある農学部が脚光を浴びている▼あらゆる職業の中で、最も生産的で、最も楽しく、最も自由人に適するものは農業である――。ローマの文人・キケロはそう残したという。働き手の高齢化や社会情勢の変化など、衰退が懸念されてきた日本の農業に新たな水が注がれ始めている。

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