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【第6号】

2000/12/25

いよいよ21世紀。今世紀前半には、夢の時代として、空想の世界が実現する時代として思い描かれていた21世紀がやってくる。

インターネットや携帯電話の登場、ヒトゲンムの解読等々、科学技術の進歩はめざましく、私たちに夢の生活を与えてくれている。

しかし、一方で繰り返される戦争、地域紛争や地球的規模での環境問題等々、様々な問題が生まれている。

我が国ではおよそ平和な時代が続いているといわれているが、この世紀末では少子高齢化といわれる中で経済は低迷、雇用不安噴出、凶悪犯罪の低年齢化、そして学校教育の崩壊といった問題等々が表出している。

「教育」についてはこれまでも、それぞれの時代の中で様々な取り組みが行われてきたが、ここ数年は「教育改革」の名の下に国を挙げて審議、検討が行われ、対策が講じられている。

そしてまさしくこの世紀末に「教育改革国民会議」が17の提案を行った。「教育基本法の見直し」「奉仕活動の実施」がその焦点として取り上げられているが、その提案の中では「一律主義を改め、個性を伸ばす教育システムを導入する」「職業観、勤労観を育む教育」が必要であるとしている。

一時期「無気力」といわれたものが今、「フリーター」へと姿を変えているようだが、社会との接点が見出せず、狭い世界に閉じこもる子どもの姿が垣間見える。

「偏差値」という一側面の評価が絶対といえる時代へのアンチテーゼとして、今、「フリーター」へとつながる「個性化・多様化」の時代が生まれているように見える。

「一律な評価判断」から抜け出し、「多様な個性」を一人ひとりの能力として認め、評価することは重要なことであり、その中でこれからの時代を築き上げていくべきだろう。また、そのために様々な段階、場での「教育」の内容についての吟味が求められる。

「職業観の育成」といったことは、教育機関の中でのみ行われるものではなく、そうした教育の在り方、結果を受け入れる社会もまた、その観点に立たなければならない。

そして実は、教育する側がその必要性に気づき、実践することが求められる。

今号の松崎高校の例のように、新しい教育の時代へ向けて「教育」が動き出そうとしている。

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