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【第20号】

2003/04/25

『混迷の時代』。前号から今号に至るまでのわずか二ヶ月間に、米英軍による『イラク戦争』が開かれ、事実上、終戦となった。国連の存在が揺らぐものであり、大義なきものともいわれる。そしてイラクには、混乱が残り、先が見えない。北朝鮮もしかり。今、世界の中の日本という国を考えざるを得ない。

あたかも日本では、教育基本法の改正が現実のものとなりつつあり、『愛国心』という言葉が取り沙汰された。しかし、国を愛する心は、上から押しつけられるものではなく、ごく身近なところから生まれ、醸成されるものであるはず。例えば今、『愛校心』という言葉、思いはどうなのか。自分の通う中学、高校、そして大学・短大に対して、どれ程の愛着を持っているのか。これは決して有名校へ進学することだけで、得られるものではない。それぞれが、そこに何があり、何ができたのかということに対して生まれ、育まれるもので、その中に、実は『やる気』や『夢』があるのかもしれない。

新しい年度、高校において『総合学習の時間』が取り入れられ、国立大学の法人化が揺れる。また法科大学院の申請、『特色ある大学教育支援プログラム』の公募が始まるなど、教育の世界も『混迷の時代』。しかし、こうした流れは、中等・高等教育機関に『特化』『個性化』を促すものであり、それは、生徒、学生が進学先を選ぶための大きなポイントとなる。高校生の将来にどう関わり、どういう結果を出していくのかが本当に問われ、一人ひとりが『夢』を持ち、その『夢』を具体化、あるいは膨らませることが大切なことと認識された時、今とは違う高校、大学、短大が生まれるに違いない。

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