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【第32号】

2005/04/25

「ゆとり教育」の見直しということで、中学校の教科書が改定された。学力低下など、世間を騒がしていた問題に対して、解決の糸口が見えてくるのかと思ったら一転、歴史教科書の記述に対して、韓国と中国から猛反発が起こった。

経済協力開発機構(OECD)の「図表で見る教育」(平成16年度版)調査によれば、海外から日本へ留学している人数は約6万4000人。そのうち韓国約1万8000人、中国約3万2000人と、全体の約80%を占める。これだけ多くの留学生が来ているのに、なぜ日本が両国からこれほど嫌われてしまうのだろうか。中国では「留日反日」という言葉があると聞く。日本に留学をしたら、日本が嫌いになるという意味のようだ。なぜこのような現象が起こるのか。

別のOECD調査では、「国際的移動の傾向」(平成16年度版)で、日本の労働力人口に占める外国人の割合は、0・3%と伝えている。これは、主要国で最低の状況だ。日本に次いで低いイタリアでも3・8%なのに、いかに日本の外国人の雇用機会が少ないかがわかる。まるで日本は外国人を排除しているかのように思える。このような状態では、親日家と呼ばれる人々は、なかなか出てこないだろう。

例えば米国は、教育で世界のトップに立とうと、国内のみならず国外からも優秀な人材を集めている。日本から留学している人たちは、日本より米国に魅力を感じ、そのまま米国に留まってしまうことも多い。米国は親米家を育てようとしているが、日本はそうではなく、親日家、日本で学んだ優秀な人たちを留まらせることができない状況を作ってしまっている。

日本はいま、親日家を育てる国家戦略が必要ではないか。教育だけでなく、日本の国益を考えて、行政面からも親日家を育てることを、早急に考える時期に来ている。過去を振り返り、未来の平和を共に築く、それこそ近隣諸国の親日感情を高める、最善の近道ではないだろうか。

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