【第37号】
2006/02/25
「滑る」という言葉は、受験生にとっての禁句。その言葉が許される冬の祭典、今回のトリノ冬季五輪での禁句は「メダル」になるのだろうか。
フィギュアスケート女子でようやく金メダルを獲ったものの、おしなべてトリノ五輪での日本勢は苦戦続き。あとわずかでメダルに手が届くという競技もあったが、なかなか取れない。ため息ばかりがこぼれる。
見ている側にとってみれば、結果だけについてあれこれ言えばいいだろうが、選手にとっては、オリンピックに出場することだけでも大変なこと。出場すること自体を褒めるべきはずが、逆にプレッシャーをかけてしまった。選手がメダルを獲れずに謝罪する場面も見られるという一幕も。
そろそろ3月に入ると高校では、進路が決まってきた生徒も多くなってくる。「第一志望の大学に受かった」、「ダメだった」などと、受験生の声が聞こえてきそうだ。
合否だけしか見えないと、今回の五輪のように、結果ばかり追ってしまう。期待だけが先行して、結果がついてこないときほど、選手は辛いはず。受験生が、入試を経て試練を経験することを褒めてあげたい。
合格することは、たしかに大切なこと。しかし、たとえ望み通りの大学に合格をしなかったとしても、その生徒の進路が決まり、その生徒にとって進路の÷`金メダル÷aを獲ることができれば、それが一番幸せなことだろう。