【第38号】
2006/04/25
「學」(学)という字を分解すると、「爻(交わる)+臼(両手)+子+宀(家)」からなり、先生が知恵を授け、身振り手振りで、弟子が習うという意味がある。また、「校」は、授受が行われる場所のことをいう(『漢字語源辞典』学燈社)。
そのような漢字から成る「学校」は、新年度を迎え、1カ月が過ぎようとしている。そろそろ落ち着いてくる反面、刺激が薄れ、同じようなことの繰り返しになってしまうころだろうか。
脳の研究で知られる池谷裕二氏によれば、「脳にとって一番の敵はマンネリ」だという。脳はもともとマンネリになりがちのため、刺激が必要となる。
そもそも「脳」の旧字体は「腦」と表す。「巛」は髪の毛を意味する。そうすると、髪の毛の下にある「メ」は何を意味するのか。池谷氏によれば、「知識」を意味し、脳は、知識が入った箱ということだという(ちなみに、「凶」は「空っぽ」という意味があるため、上を閉じれば知識が逃げずに済むのだろう)。そして、最も知識が詰まった漢字がある。それが「學」だという。二つも「メ」がある。
学校は、脳に刺激を与えて、知識を与える場である。大学とは、「大きい学」と書くだけに、たくさんの刺激を、脳に与えてくれる所なのであろう。ただし、刺激の与えすぎで、「脳」のへんが変わり、「悩み」に変わらなければいいが。