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【第39号】

2006/06/25

「一寸」と書いて「ちょっと」と読む。梅雨が終われば「一寸一杯」という居酒屋の看板を目にすると、ついつい寄ってしまいたくなる。

広辞苑(岩波書店)によれば、「わずか、少し」という意味だが、人によって、ちょっとの感覚は違う。「一寸一杯」と言いながら「ちょっと」とはどのくらいの時間なのだろうか。30分、1時間、それ以上か-。先日シチズン時計が行った、ビジネスマンの時間感覚を調査した結果によると「一寸一杯」は1時間20分が平均だったという。

どこまでが「ちょっと」なのかわからない。いいかげんで許される「ちょっと」もあれば、進路を左右するかもしれない「ちょっと」もある。自信をもって解答をしていたとしても、受験番号をちょっと間違えただけで、希望大学に進めない場合もある。

大学入試センターが、受験番号の記入漏れや、記入ミスを犯した受験者を救済していたことが明らかになった。今春だけで約7000人の受験生の解答を救っていたという。23年間続いていた救済措置であるが、「気の毒だ」「自己責任だ」と賛否が分かれているという話も聞く。記入ミスが一律0点となれば、「ちょっと」のミスが許されない。

救済してくれることを期待するよりは「一寸の光陰軽んずべからず」ということわざのように、勉強に集中したほうがいいだろう。

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