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【第41号】

2006/10/25

大手就職情報サイトが学生に行った調査では、今年の就職活動を漢字一文字で表すとすればという質問に、「楽」という回答が一位になったという。「思ったよりも楽だった」という声に代表されるように、÷`売り手市場÷aだったことを象徴する結果だ。

就職氷河期と言われた5年前の一位は「苦」。その頃に比べれば、金融業界の2000人採用など、たしかに「楽」になったのかもしれない。

ある私立大学の学生に「売り手市場とひとくくりにしないでほしい」と言われたときには、はっとさせられた。結果だけを見ていて、学生たちの過程を見落としていたからだ。2位「迷」、4位「苦」、9位「忍」などの漢字も見逃せない。

努力をして内定を得た学生たちにとって、「売り手市場で楽だったんでしょ?」と言われたら、不快に感じることだろう。当事者たちは必死なのだ。

大学入試に関しても同じことが言える。一時期に比べれば、大学に入りやすくはなった。だが、受験生が決して努力していないわけではない。「大学全入時代だから、簡単に入れるでしょ?」と言ってしまったら、あまりにも失礼だろう。

もし受験生に、受験勉強を振り返って、漢字一字で表したとしたらという質問に、一位が「楽」ではなく、「嬉」や「喜」という答えになってほしい、と思うのはきれいごとすぎるのか。

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