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【第45号】

2007/06/25

「梅雨入り」といいながら、首都圏ではなかなか雨が降らず、日差しの強い日中と、涼しい風が吹く朝夕の気温差に、夏風邪をひいてしまった人もいるだろう。

雨が降らないとか、春なのに暑いとか、毎年何かしら「異常気象」のように取り上げられることが多いが、いわゆる「平年並み」の状態が続いた年は存在するのだろうか。

WMO(世界気象機関)の規定によると、「平年並み」とは、過去30年の、高低9年ずつを切り捨てた12年の平均値のことを言うそうだ。つまり、完全な「平年」というものは存在しない。

人間というのはなぜか「普通」と比べたがる。誰もが「自分は普通の人より○○だ」と思い、それが自信になったり、コンプレックスになったりする。しかし、「普通」を決めているのはいったい誰か。

先日、南の離島へ行く機会があった。東京では、バスの出発時間に1分遅れたら乗れないのは「普通」だが、そこでは、乗りたい人がいれば、途中でバスを止めるのが「普通」だ。場所や集団、あるいは時代によって「普通」は違うのだ、ということを痛感した。

ちなみに「平年」は10年ごとに更新されるそうだが、「普通」は放っておけば人々の意識の中で瞬く間に更新されてしまう。

6月20日に、教育三法の改正案が成立した。いまの教育は日本の「普通」を示せるのだろうか。

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