【第47号】
2007/10/26
「大道芸をしながら、世界60カ国以上旅してきて、たくさんの元気をもらったことを伝えたい」、「玉音放送が始まった8月15日、日本を代表する作家は何をしていたのか」……▼これらは、大学生たちが「自分の思いを本にしたい」という気持ちの詰められた企画の一例である。企画を出版社に訴えるという「出版甲子園」というイベントの決勝大会が10月21日に都内で行われた▼十人十色というように「大学生」と言っても、60カ国以上の海外旅行をした学生、玉音放送を取り上げた学生など、いろいろな大学生がいる。ちなみにこの出版甲子園で大賞を獲得したのは、『AO入試のススメ』という企画だった▼今年の文科省「学校基本調査」によれば、現役生の大短進学率が50%を超え、高校生の二人に一人が進学。AO入試など入試の多様化で、学生も多様になり、中には、分数計算ができない学生、英語の筆記体が読めない学生もいるという▼9月中旬の中央教育審議会では、大学卒業までに学生が最低限身につけなければならない能力を「学士力(仮称)」として定義することを検討し始めた。 “大学生”としての基準を設けられそうだ▼ここ最近は、検定ブームなようで、江戸文化歴史検定など、ユニークな力だめしが多い。その流れに乗れば、「大学生検定」も不思議ではない。