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【第49号】

2008/02/26

日本テレビ系列で「斉藤さん」というドラマが注目を浴びている。観月ありささん演じる「斉藤さん」は、幼稚園に通う子どもを持つ、正義感あふれる母親だ▼ある回で、子どもが幼稚園に持ってきたゲームが紛失する事件が起きた。ゲームを盗ってしまった子どもの母親は、子どもが泣いて告白するのを聞いて「ゲームは返したのだからみんなに言う必要はない」と一蹴する▼盗った子どもの替わりにこっそりゲームを返していたのは、斉藤さんの子ども。斉藤さんは、自分の子どもの告白を聞き、盗った本人と一緒に「みんなに謝ろう」と諭す▼ゲーム紛失騒動で、一番怖かったのは子ども。一番反省したのも子ども。それを、親が非難を浴びたくない、という理由で見なかったことにしてしまったら、子どもは「ばれなければ悪いことをしてもいい」と覚えてしまう。幼稚園で起こるさまざまな出来事を、「大人の都合」で処理してはいけない。斉藤さんは数々の場面で問いかける▼各業界で偽装や、サービス残業の問題などが多数発覚している。国会の様子などを見ていても、国民の将来よりも、権力者の保身にしか見えない▼世の中にどれだけ「大人の都合」「会社の都合」がまかり通っているのだろうか。悪いことを「悪かった」と認めることから、何かが始まると信じたい。

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